ケニアめしを語る~軽食編~

どーも。まっつんです。気が付けば新しい年を迎えて2020年オリンピックイヤーに突入してしまいましたね。ケニアのクリスマスや年末年始はびっくりするほどただの日常でした。街に出ると多少それっぽくデコレーションされてましたが、日本のような盛り上がりはありませんでした。それでも各家庭ではいつもより豪華に食事をするようで、ニワトリを抱えて帰っていく人がいつもより多かったように思います。これこそがケニアのクリスマスっぽい風景なのかもしれません。ちなみに、我が家の敷地内で飼われているターキーは健在でした。報告まで。

さてさて、前回のケニアめしメイン編が意外にも好評で、軽食編はいつになったら公開されるんだと多くの問い合わせをいただいたので、重い腰をあげてやっと更新することができました。ありがとうございます。

小腹がすいたら路上で気軽に買えます

ケニアでは路上でちょっとした軽食を売っている人がたくさんいます。なのでちょっと小腹がすいたなと思ったらすぐ買えるので、よほどのことがない限り飢え死にすることはありません。(もちろんお金を持ってないと買えないけど)
ということで今回はケニアの路上で気軽に買える軽食を、スタンダードなものから超ハードなものまで紹介したいと思います。衝撃度を★で表現してみました。

  • その① ★サモサ
  • その② ★焼きトウモロコシ
  • その③ ★ゆで卵
  • その④ ★★★クンビクンビ
  • 番外編 ★★★★★パニ

その① “サモサ”(衝撃度★1)

これはもう鉄板ネタですよね。小麦粉の皮に具が包まれて、きつね色に揚げられた三角のパイのようなものです。具材は潰したジャガイモや豆。味は主に塩味、さらにコリアンダーやガラムマサラの香辛料が効いています。野菜を使ったベジサモサ、ジューシーなビーフサモサ等、食堂でも路上でもどこでも食べることができます。そして安い!熱い!美味い!と3拍子揃ってます。とは言え、シェフによって当然味は違ってくるわけで、たまには口に合わないものもありますが、そんなにハズレはないような気がします。1個20~30円くらい。

その② “焼きトウモロコシ”(衝撃度★1)

そこらじゅうのケニア人がかぶりついてるお手軽スナックです。前回紹介したウガリの原料のメイズですが、焼いて食べたりもしているんです。ケニアに来て初めて目にしたときは、「おぉ!焼きトウモロコシが食べられるなんて嬉しい!」とさっそく購入。口の中に広がるコーンの甘さを想像しながら勢いよく噛みついて一言。いや、二言。

「固い!そして甘くない!」

そうなんです。メイズは日本のトウモロコシのように柔らかくありません。そしてあのクセになる甘さもありません。日本の感覚をそのまま持ち込んだのがいけなかったですね。気を取り直してモグモグ食べていると、これはこれでイケるぞと思ってきました。噛んでいると後からコーンの旨味が追いかけてくる感じ。種類もいくつかあって、定番の塩味の他に、ライムを塗り込んだり、さらにトウガラシをかけたり。1本食べ終わる頃にはかなり顎が疲れますのでご注意ください。1本50~60円くらい。

その③ “ゆで卵”(衝撃度★1)

ケニアに来て意外だった路上で買える軽食が、このゆで卵です。サモサや焼きトウモロコシはけっこう想定内で、ほかにもソーセージとか揚げパンとかも売ってて、このあたりも想定内だったんですよね。でもゆで卵を売り歩いてるのを見た時は驚きました。で、実は大好きなんですよね、卵。なのでめちゃ気になってました。路上のお兄ちゃんに声をかけると、保温ケースの中からゆで卵を取り出して、スプーンで器用に皮を取り除いていきます。半分切れ目を入れるとそこに何やら野菜のようなものをトッピングしています。これ「カチュンバリ」といって玉ねぎとトマトを細かく刻んでコショウをふりかけた、ケニア料理には欠かせないサラダ(付け合わせ?)のようなもので、相性抜群です。 1個20円くらい。

その④ “クンビクンビ”(衝撃度★★★3)

ついにこいつを紹介する時がやってきました。もはや軽食というほど軽い気持ちで食べることができるのか、そんな疑問すら生まれてしまいます。このクンビクンビと対面したのはある日の昼下がり、先輩隊員と出かけるために落ち合ったとあるタウンのマタツ(乗り合いバス)乗り場でのお話。

俺「こんにちは、おつかれっす!」

先輩「まっつんおつかれ!」(むしゃむしゃ)

俺「待たせちゃってすいません!」

先輩「全然おっけ!おやつ買えたし」(むしゃむしゃ)

俺「お、Groundnutsですか?俺も好きなんですよね~」

 ※Groundnutsはどこでも手に入る定番のおやつで、よく煎った落花生のことです。10~20円ほど。

先輩「いやいや、これはKumbi kumbi」(むしゃむしゃ)

俺「クンビクンビ? 可愛い名前っすね、でも何すかそれ」

先輩「まぁ見てみなよ」(むしゃむしゃ)

と言って見せてくれたのがこちら。

このKumbi kumbi、何だと思いますか?

正解は、羽アリ (Flying termites) でした!
大雨期の季節になると大量に現れる、大きな羽根を持ったメスの羽アリで体長は2~3㎝くらいです。なぜ雨期だけなのか調べてみると、この時期にアリ塚から婚姻飛行で一斉に飛び立つそうです。そして繁殖のために、メスはその身体にたっぷりと栄養価を含んでいるので、貴重なタンパク源として食されていたようです。油でさらっと炒めて塩で味つけてあるので、シンプルで香ばしくまるで桜エビを食べているような感じです。けっこう好きかも。

マタツに乗っている時に、先輩が隣にいた子どもにこのクンビクンビをあげようとしたら猛烈に拒否されてました(笑) 今となっては「珍味」的な位置づけなのか、好んで食べる人は多くないようです。少なくとも私の周りにはこの先輩以外一人もいません。山盛りでお値段50円くらい。

番外編 “パニ”(衝撃度★★★★★5)

※衝撃映像系が苦手な方は見ない方がいいかもしれません。

世界には想像をはるかに超える食文化が存在しているってことを実感したのがこのパニという食材。あまりにも衝撃的だったので最後に番外編として紹介したいと思います。というのも、主に食されている地域がケニアではなく、南アフリカ・ボツワナ・ナミビア・ジンバブエといったアフリカ南部だからです。こいつの存在を知ってから、食べてみたい!という衝動が抑えられず、ついには友人に頼んで国際郵便で送ってもらったのです。もしケニアで一般的に食されていたらトップバッター間違いなしの超大物です。ケニアに分布していないのが残念!

本日の締めくくり「パニ」をどうぞお楽しみください。

簡単に言うとイモムシですね。モパニワームとかモパネワーム(Mopane worm)という名前で知られているこの食材。個人的には、ムシと言えばイナゴとか蜂くらいしか食べたことなかったのでそのインパクトのデカさといったらもうハンパないですよね。クンビクンビがかすんでしまうほどの衝撃です(笑)
ケニアに赴任したら絶対にムシを食べてやる!と意気込んでいたのですが、なかなか出会うことができませんでしたが、半年経ってようやく夢が実現しました。

ちなみにこの写真はパニを乾燥させたもの。収穫したら内臓などの中身を取り除いて天日干しにするそうです。味は、一言で言うなら煮干しですかね。パニをつまみにお酒を飲む、最高の組み合わせです。

先日、ミーティングのために上京した際に他の隊員にもパニを食べてもらいました。袋から出した瞬間のみんなの顔、あの絶句感よかったですよ(笑) そしてさすが挑戦することを恐れない協力隊員たち、その場にいたほとんどの隊員がパニを初体験。大盛り上がりでした。

テンションがアガったところで、もっと美味い食べ方があるはずだという話になり、送ってくれた友人に聞いてみたところ、通常の食事で使う時には水で戻して炒めたりすると聞いたのでさっそく実践してみました。

数時間後、1.5倍くらいに戻ったパニは生前の姿に少し近づいています。とりあえずパクっと食べてみましたが、柔らかくなっている分ムシ感が増してはいますが乾燥パニと同じく煮干しのような味で悪くないですね。ササっと炒めて塩で味つけてみたら普通にイケる。これはもはやおかずですね。
で、これで終わったら芸がないので天ぷらにしてみました。写真の通り、出来栄えは100点。これはもはや料亭クラスの一品にして逸品が完成しました。

クンビクンビと同様、こちらも貴重なタンパク源としてアフリカの人々を支えています。皆さんもアフリカにお越しの際はぜひ食べてみてください。

パニ子として遊べます

最後に、収穫したばかりのパニをご紹介します。子どもたちが木に登ってこれでもかとパニを捕獲していくそうです。隊員にこれ見せたらもう食べたくないと言ってました。そんなこと言わずにまた食べようよ(笑)

いかがでしたか? ケニアめし軽食編と言いつつ最大のインパクトはパニでしたが、少しでもお楽しみいただければ幸いです。ではこのへんで。
Tutaonana Baadaye!

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MatsubaraYoshihide

愛知県名古屋市出身。高校商業科教員が現職教員特別参加制度でJICA海外協力隊に参加しています。 現在はケニア西部のマセノでPCインストラクターとして活動中。ケニアンライフをバシバシ発信していきますよ~!

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